2008.02.11 ありえない車
この前、すごい光景を見た。板にタイヤをつけただけの冗談みたいな車が、往来の激しい幹線道路を疾走していて、私はもう目が釘付けになってしまった。ありえねーーーー!です。

この衝撃を伝えたくて、ひたすら画像検索してみたけど、どうにも見当たらず、仕方なくマウスで描いてみました。汚い絵で失礼します。

car.jpg


こんな感じね。屋根もドアも何もない、ペダルとハンドルとイスだけの、即席で作ったみたいな…もはや「作品」とも言える。でもちゃんとナンバープレートはついていた。あと、荷物が落ちないように網をかけていたな。軍用車っぽいので調べてみたけど、さすがにこんなのなかったわ。

安全性を重視した車が次々開発される時代に、こんな車が平然と街中を走っていることに、ある意味感動しました。もう一度遭遇したら、写真撮りたいな。
2007.01.30 味覚の違い
「米国のケーキ」(小説:科学者トホホ日記)

青いクリームがすごいです。

昔、職場でアメリカ人の方が、手作りケーキを振舞ってくれたのだけど、あの甘さは忘れられません。砂糖を固めたようなスポンジ、ヌガーのようなクリーム、甘味好きの私もさすがに強烈すぎて喉が焼けそうでした。

しかし彼女の厚意を考えると誰も残せなくて、日本人は皆ひたすらブラックコーヒーで飲み下していました。

しかし私は見てしまった!
当のアメリカ人が、平然とケーキを頬張りながら、コーヒーに砂糖を三袋もぶち込んでいるのを!

参りました。

思わず、見てはいけないものを見てしまったんじゃないかと、怯みましたよ。あんどんの油を舐める化け猫さながら、「見ぃたぁなぁ〜」とか妖怪変化するんじゃないかとか。ご馳走になりながら大変失礼な妄想をしてしまいました。

もし渡米したら、甘いもの受け付けなくて逆に痩せそうな気がする。
(2005/3/13)

深夜のファミレスでのこと。

どこからともなく「チェ・ジウに似てる。マジ似てるって」という話し声が聞こえてきた。目ざとく周囲を見渡すと、そこにはヨン様そっくりの男性がいらっしゃいました。いや正確には、ヨン様の真似をした男がいたんだ。

その浅黒く日焼けしたヨン様は、確かに栗毛色のやわらかパーマでヨン様眼鏡をかけていたのだが、あのセレブっぽさはどこへやら、本家の気品とはかけ離れたダークでお水な雰囲気を、そこはかとなく放っておりました。

どうやら向かいの席の彼女がチェ・ジウらしいのだが、私の席からは顔が見えない。気になる。で、なにやら偽ヨン様が熱心に話しているので、興味津々聞き耳を立てた。

「肌って乾燥するじゃん、あれなんで乾燥するか知ってる?毛穴につまった油がうんぬんかんぬん・・天然の塩から出来てるからこれで顔を洗えばミネラルの効果でお肌がツルッツル!ほんとだって。試してごらんよこれ」

セールスかよっ。胡散臭〜。
その話術がかなりプロ入っていたヨン様。これは只者ではない。

ねずみ講か、はたまたキャッチセールスか、身を乗り出して聞き入る彼女が買わされちゃうのは時間の問題でしょう。韓流がこんなところにまで及んでいたとは恐るべし。私達が席を立った後もなお、安っぽいファミレスの席で、ヨン様はチェ・ジウを口説いておりました。

そしてレジ待ちの間、どこかへ消えた私の夫は、戻ってきて嬉しそうにこう言った。「ほんとにチェ・ジウに似てるか顔見てきたよ!」アホです。ちなみに似てたって。塩の洗顔料なんか必要ないくらい可愛かったそうですよ。
今から十年以上前の話である。

その日、ぼりこが当時住んでいたボロアパートで、私たちは派手なケンカを繰り広げていた。すると部屋の外から男の声がした。
「宅急便でーす」
はて?宅急便が来る予定などあっただろうか?

気まずい雰囲気のまま彼が扉を開けると、そこには見知らぬ男が立っていた。
私たちは思わず息を呑んだ。なぜならその男は純白のスーツに身を包み、派手なシャツの襟をはだけさせ、胸元には金のぶっといネックレスが光っていたのだ。貧乏ゆすりをしながら斜に構え、こちらにガンを飛ばしていた。どっからどう見てもチンピラ以外の何者でもない。

宅急便なんて真っ赤な嘘じゃないか。一体この男は何なんだ。
私たちが呆然としてると、男はガムをくちゃくちゃ汚く鳴らしながらニヤついている。そして男は挨拶もなく驚くべき言葉を発した。
「なあニイちゃん。新聞とらない?」
・・・。
これには呆れて言葉も出なかった。こんな新聞勧誘員がどこの世界にいるんだ!いや、ここにいらっしゃるんだけど。一体どんな教育してるんだ新聞屋!

男の迫力に押され、ぼりこは「いや、ちょっと新聞は・・」とか「金が無いんで」とか、煮え切らない返答ばかりしている。逆に男は強気も強気。「なんで?取ってよ」「なあ、取ってくれっての!」と迫ってくる。極めつけには「金なんか俺が貸してやるから契約してよ」ときたもんだ。

どこの世界に金まで借りて新聞とるバカがいるんでしょうか?つか、金まで貸して新聞とらせる新聞屋って何なんでしょうか?常識を逸脱している。もう殆ど脅しというか、恐喝というか・・。そんなやり方でこいつは今までどれだけ契約を取ってきたんだろうか。酷すぎる。さすがはY新聞。私はこのY新聞でまともな勧誘員に出会ったことがない。

私は腹が煮え繰り返っていた。そもそも宅急便を装ってドアを開けさせる根性からいけすかない。卑怯にも程がある。加えて、いつまでたっても煮え切らない態度のぼりこにも苛々する。

そもそも無闇に部屋のドアを開けるもんじゃないんだ。用心してドアチェーンして開けるべきなんだ。とはいえ、ここはボロアパートなので玄関は一枚板の引き戸で、ドアチェーンなんてありやしないのだった。隙間風ピューピュー、セキュリティーもプライバシーもあったもんじゃない!階下のヘビメタ男が夜中にエレキギターを掻き鳴らせば隣のおやじが発狂して殺し合い寸前だし!布団を捨てれば1分後には中国人が持ってっちゃうし!そんな劣悪な環境のスラム街みたいなとこに住んでるから、こんな宅急便を装ったチンピラが土足で踏み込んでくるんだわ!

きぃぃぃぃ。

私の中でプチッと何かが切れた。

目の前ではまだチンピラとぼりこがあーでもないこーでもないと続けていた。私は無言のまま歩み寄り、チンピラの鼻先で思いっきり扉を閉めてロックしてやった。ばぁぁぁん!とものすごい音が響いた。その激しさといったら、もし指でも挟んだらその骨は砕けていたはず。

しばらく扉の向うに佇む男の陰が擦りガラスに映っていた。もしかしたら逆上して怒声を上げるかもしれない。扉を蹴るかもしれない。恐怖で思わず震えがきた。だが男はチッと舌打ちしただけで去って行った。

ハァ〜助かった・・。

お手柄とばかりに私が得意顔でぼりこを見ると、彼は怒っているではないか。
「だから君は向こう見ずだってんだよ!あんなことして!」
「そっちこそ、あんなひ弱な対応じゃ埒があかないじゃんか!」
そしてケンカは再び開戦したのだった。
一つ前の記事「マルチな押し売り」に頂いたコメントで、私もひとつ思い出した。

ある日、自宅マンションの前で、詰め襟姿の男子中学生が蚊の鳴くような声で話しかけてきた。
「あの・・私たちは『●●●の●●』です。今、ご近所を回らせて頂いてます」
新興宗教の勧誘だ。
母親と、中学生、小学生の男の子。子供をダシに使って家々を回る。宗教の勧誘でありがちなパターンだ。

そして彼らに共通している点は、みんな不幸そうなところだ。この親子も例外なく、青白い顔をして身を寄せ合い突っ立っていた。吹けば倒れる棒のようだった。その姿からは生気のひとかけらも感じられない。気の毒になるほど悲壮感が漂っていた。

あなたたち、宗教に縋ってるくせにどうしてそんなに不幸そうなの?
どう見ても救われてるようには見えない。

気味が悪くて「そういうの興味ないんで」と言うと、男の子は何も言えず、怯えたようにあとずさってしまった。母親と弟はついぞ一言も喋らなかった。まるで幽霊のような親子であった。

他人に宗教薦めてないで、輸血でもしたほうがいいんじゃなかろうか・・。
昔勤めていた会社に、ある日Nさんという派遣スタッフが入って来た。彼女は人当たりがよく、誰とでもすぐに打ち解けた。同じ派遣会社というのもあり、私もすぐにNさんと親しくなった。

ある日、私はNさんの家に招かれた。ランチをご馳走してくれると言う。家庭の味に飢えていた私は、手作り料理と聞き、二つ返事でNさんのお宅を訪ねて行った。

Nさんは私の目の前に電磁調理器をドンと置き、フライパンを使って天ぷらをしたり、魚を焼いたり、ナベで炊いたアツアツのご飯など、出来たての料理を次々と振舞ってくれた。それらは本当に美味しかった。私はペロリと平らげてしまった。

しかし不思議なのは、彼女がいちいちフライパンやナベの素晴らしさを私に説明することだった。目を輝かせながらナベを称える彼女の姿は、なんだか異様で・・。

食事が終わると彼女は「この後、友達が2人来るの」と言いだした。
そんなこと事前にひとことも聞いてなかったので私は驚き、そしてなんだか嫌な予感がした。彼女は何かを隠している・・。

急に居心地が悪くなってしまった。しかし自分が食い散らかした数々の料理を
前に、今帰っちゃマズイよな〜と我慢することした。

そしてNさんの友達がやってくると、事態は一変した。なんと3人は某大手マルチ商法組織の仲間だったのだ。ここまでくりゃあ、バカな私も自分の立場に察しがつく。しかし時すでに遅し。なにしろ目の前には自分が食い散らかした数々の料理がこれみよがしに置いてあるのだ。帰れるはずがない。

かくして私は3人にとり囲まれ、商品を購入するよう迫られた。と言っても脅しとかじゃなくて、そのやり方がいやらしいほど遠まわしなのだ。

Nさんはいきなり市販のハンドクリームとマルチ商法のクリームを取り出し、両方を自分の手の甲に塗り、私の前に突き出した。
「市販のクリームは悪い油が使われてるの!ほら見て、この油。だけど、こっちの○○クリームはいい成分を使ってるから、こんなにサラサラしてるでしょ!」
そう言ってにっこり微笑む彼女に、私は顔を引きつらせて「そ、そうだね」と頷くしかなかった。

市販のボディソープやファンデーションがどれ程肌に悪いかをとくとくと説明された。アパートの至る所からヒョイヒョイと実験道具が出てきて、実演販売顔負けの手際の良さ。多機能鍋やフライパンの素晴らしさは、さっきの手料理で実証していたのだ。

これは何度もやっているに違いない。この部屋で一体何人が餌食になったのだろうか・・考えると恐ろしかった。

盛り上げ要員の友達のリアクションがまたすごい。
「うわーすごい!」なんて感嘆詞は朝飯前。「これ見ちゃったら絶対市販のクリームなんて使えない!」「普通の感覚持ってる人なら、このクリーム選ぶよね!」「値段より質の良さで選んだ方が、長い目で見たら得なのよ」「うちのママに薦めたら、いらないなんて言うんだよ。私は良い物だから薦めてるのに、頭硬い人って嫌ねぇ」とまあ、私を洗脳すべくありとあらゆる言葉を並べ立てる。

しかし彼女達が商品を誉め慈しみ、感嘆の言葉をもらす度に、私の気持ちはどんどん引いていった。おあいそで多機能ナベの値段を訊くと、一式ウン十万円と言うじゃないか!思わず殴りたくなった。

あのね、、いくらいい品だと言われても、私はナベごときに大枚はたく気はこれしきりもありません。398円のナベで充分でございます!そうはっきり言いたかった。でも言えなかった。「うーん、うーん」と唸るのが精一杯だった。なぜなら怖いんですよ!彼女達の目がもう普通じゃないの!そんな人達に囲まれて、この怖さ、わかります?

その後も「買うまで帰さない」と言わんばかりの殺気で、手を変え品を変えと散々やられた。
もう疲れたよ。おうちに帰してよ。
自分の卑しさ浅はかさを呪った。「食べた物全部吐き出すから帰らせて!」と叫びたかった。ここで買ったらえらく高い昼メシになってしまう!タダより高いものはないって言うけどホントね。

でも私は屈しなかった!
「家でじっくり見て選びたいから」と嘘をついてパンフレットを貰い、「夕方から用事があるから帰る」などと白々し言い訳をしてその場を脱出した。
アパートから出て緊張が解けると、思わず腰が抜けそうになった。

その後もNさんと会社では表面上普通に接したが、私の心はあの一件以来、完全にNさんを拒絶していた。彼女の口からナベの「ナ」の字でも出ようもんなら、私は必死に話題を逸らした。

確かに彼女のやり方は卑怯だった。けれど私も卑怯な逃げ方をしてしまった。避けてないで、いらないならいらないと、自分の意志をはっきり言えば良かったのだ。

まあ何を言っても彼女には伝わらなかったと思うけど・・。
さっそく過去のテキストを掘り起こしてきました。約4年前に書いたエピソードから。


ある日のこと、私は新宿駅東口付近でものすごい尿意をもよおした。しかし駅のトイレには入りたくない。なぜなら、汚い、臭い、紙もない。ましてや隠しカメラなんかが仕込まれてた日にゃあ・・。みすみす汚いケツの写真がエロ本に投稿されてしまったら、一体どうしてくれる。

私は膀胱という名の爆弾を抱えながら地下街を彷徨い、あるトイレに辿り着いた。それは有料トイレだった。

か、金払えですって?

そんな高飛車なトイレに誰が入るかよと言いたいが、今日ばかりは背に腹は変えられぬ。早くすっきりしたかった。しかも有料なら安全な気がするし!

私が女子トイレにいざ入らんとしたその時、横でガンガンガシガシ不可解な物音がした。ギョっとして見ると、男子トイレのドアの取っ手をつかんで暴れてるやつがいるじゃないか。

年の頃六十前後とおぼしきサラリーマン風の小柄なおやじが、必死にドアをこじ開けようとしていた。おやじは私と目が合うと、「この扉、どうやったら開くんですか?!」と切羽詰った表情で詰め寄ってきた。

私が「有料トイレなので、お金を入れれば開きますよ」と答えると、おやじは涙声で訴えた。「金入れたのに開かないんだよお!!」
なんかもう、今にも私の足にタックルしそうな勢いなのだ。そしてあからさまに下半身を手で押えてモジモジしだした。私が目を点にして見つめていると、おやじは観念したように呟いた。

「も、漏れちゃう・・」

もれ・・て、ええーーー!
私は愕然としてその場に立ち尽くした。これはもう自分の尿意どころではない。そしてなにより驚いたのは、おやじの手が尻の方をおさえていたことだった。

かつてこんなことがあっただろうか。いやある筈がない、あってたまるか!

涙目おやじは、「うっ」とか「あっ」とか、尻を引っ込め突き出し便意と格闘している。その姿は竹中直人ばりの芸風?である。しかしこれは恐ろしい事に冗談ではないのだ。

と、とにかくこのおやじを早く便所に行かせなければ、大変なことになる。

最早つんのめってドアに手もかけられない状態のおやじ。
私は何とか男子トイレのドアを開けようと格闘したが、扉はびくともしない。このドアは完全に壊れているんじゃなかろうか?

そう思った瞬間、おやじが「アッ」と小さく叫んだ。

「出ちゃった・・」

うわぁぁぁ!
私は心で叫んでいた。

その時、無風地帯の地下街で、そこだけ木枯らしが吹きすさんでいた。残念だがもう時はとりもどせない。今や股の緩みきったおやじは、魂の抜けきった瞳にうっすら微笑みを浮かべていた。嗚呼・・終わった。何もかも。

私は心からおやじに同情した。これからどこへ行くところだったんだね?取引先へそのまま行くのかね?昼飯にナマモノでも食ったのかね?頭の中にさまざまな憶測が浮かんでは消えた。

そして私が出した結論は・・
「人を呼んできます」と言って逃げました!
ごめん、おやじ。見ず知らずのあなたの脱糞劇に立ち会った上に、下の世話まで出来ない!

でちゃったおじさんは、まるで捨てられた子犬のように、いつまでもその場に立ち尽くしておりました。